武田真由美さん
苦手なものがあって、その苦手な部分が食感だとしたら、形を変えたり何かやり方はあると思うんです。でも、臭いが嫌いとか、食べた後の後味がイヤといわれると、それはどうしようもないですよね……。そんなときにちょっとスパイスを使って、例えば魚だったら生臭さをカバーしてあげると食べやすくなって、それで魚自体の印象が変わって、家族に食べてもらえるようになったということがありましたね。

ヤミーさん
うーん、やっぱり、苦手とされるものって味にクセのあるものが多いですよね。そこにスパイスの、例えばレバーの臭みに強いクミンの風味を加えてあげたりすると、クセ×クセでマイルドになって、別のおいしさが生まれてくれて。食材が持っているクセの部分が目隠しされるのかな、マスキングされる感じになるのかなって思うんです。

ぱおさん
私は以前、お友だちのお子さんににんじんのポタージュを作って出したことがあったんですが、じつはその子はにんじんが苦手で。でも、隠し味にちょっとカレー粉を加えたら、「これは駄目かも」と言うお母さんの心配をよそに完食してくれたんです。にんじんの臭みが消えて食べやすくなったみたいで、お母さんもすごく喜んでくれて。スパイスを使うことで、臭みもなくなっておいしくなるんだなって！

武田真由美さん
風味を変えたり、クセを弱めたりはケチャップやマヨネーズといった調味料でももちろんできるんですけど、それだと、主張が強すぎることがあるんです。でも、スパイスだと、ほんのちょっと入れるだけでイヤな臭いを消してくれたり、素材の味を活かしつつ旨みを引き出してくれたりしますよね。

ヤミーさん
思っていたのと違う風味がスパイスで引き出されて、苦手な部分が消えることもありますよね

かな姐さん
好き嫌いといえば、私は鶏肉があまり好きじゃないんです。なので、鶏肉の臭いを消すためによくスパイスを使っています。普通だったら塩とコショーで下味を付けるところを、コショーの代わりにクミンやローズマリーを使うとか、ニンニクを使うとかして香りを変化させて。食べるときも、わさびで食べたり、辛子しょう油で食べたり。そんな感じで、いろいろな香りで鶏の臭いを軽減させる食べ方をしていますね。

ぱおさん
私は魚料理にスパイスを使うことも多いです。うちの子どもは魚料理よりも肉料理のほうが好きなんですが、魚料理にちょっとスパイスを加えてパンチのある味にすると、臭みが消えて、子どももすごく喜ぶんですよ！カジキや塩サバみたいな魚を小さく切って、ガラムマサラとにんにく、片栗粉をまぶして焼いたり。そういうのを見ると、スパイスの力を感じますね。

ちょりママさん
うちの息子は、ごぼうがあまり得意じゃなかったんです。それで、大好きなバーモントカレーをヒントにして、きんぴらごぼうにガラムマサラを入れてみたらよく食べてくれるようになりました。いつものきんぴらに、何か違うアクセントが出せましたね。それに、ごぼうのえぐみって、大人でもちょっと苦手に感じることがありますよね。スパイスがそのえぐみを消してくれたなって感じています。いつもの和のレシピにもスパイスを使うことで、味のバリエーションが広がることってあると思います。

武田真由美さん
和の味わいとスパイス、私もやります！ナス、トマトとひき肉を炒めて、めんつゆとガラムマサラを合わせたもので味付けするのもおいしいですよ。うちも夫がカレー好きなので、まず思いっきりガツンとカレー粉でやってみて、食べたなとなったら、そこからクミンとかガラムマサラとか、違うスパイスを試していっています。

かな姐さん
家で過ごす時間が増えて、そんなに買い物にも行けないし、毎日何を作ればいいかわからないし、そのうちに料理をするのに飽き飽きしちゃってきて…。そんなときに、ちょっとだけ新しいことに挑戦できるというのがいいんじゃないかなと思っています。スパイスを使うこともその1つ。たとえば、シンプルな野菜炒めを作ったとしても、明日の野菜炒めはガラムマサラの味にしようとか、その次の日はクミンやバジルの味にしようとか、仕上げにわさびを効かせてみようとか。そうやっていろいろ変えられると、自分も楽しいし、食べる家族のほうも喜ぶんじゃないかなと思います。

ヤミーさん
それ、わかります！たしかに、ずっと料理を作り続けていて、自分の料理に飽きた人には、ぜひスパイスを使えるようになってもらいたい！同じ素材で作っても、絶対違うものになるので。

ちょりママさん
毎日の料理に変化をつけるといえば、私はスパイスを作り置きとかお弁当に使うことが多いですね。スパイスを使うと、時間が経ってからよりおいしくなると感じていて。単品で使うことも、組み合わせて使うこともできるので、いろいろな種類のスパイスを揃えておくと、レシピもどんどん広がっていきますよ！

ヤミーさん
いろいろな種類のスパイスがあると、料理の国籍が変えられますよね。たとえば、同じチキンソテーでも、今日のチキンソテーはイタリアンです、今日は中華っぽいですみたいな感じで。

ぱおさん
うん、おうちで世界の料理みたいなものが味わえるのはいいですね！食べるほうも、作るほうも楽しめますよね。外食に行けないときでも、このスパイスがあれば中華料理ができるよ、台湾料理ができるよとか、いいなあ。

かな姐さん
そうやってスパイスを使っていく中で、自分や家族が好きな香りをまずは1つ見つけて、それがどんな食材や料理と相性がいいのかをちょこっと試してみる。違うな、と思ったら他のものに替えてみる。そんな感じで手軽に楽しめるのが、スパイスのいいところですよね。

おうち時間が増え、キッチンに立つ機会も増えた今こそ、新しい食材やレシピを取り入れて、ご家族、そしてご自身の苦手を克服するチャンス。時間も手間もかけずに、ひと振りでお料理の風味を変えてくれるスパイスは、好き嫌いの解消にも活躍してくれますよ。
今回の座談会でのお話や、料理家のみなさんのレシピを参考に、いつもの食材や調味料にも気軽にスパイスを組み合わせてはいかがですか♪

・エスニックな風味で素材を引き立てる「クミン」
クミンは、カレー風ではあるけれど、カレーではない。カレー粉だとちょっと強すぎて、全部の味を持って行く感じですが、クミンはもう少し素材に寄り添うというか。主張が激しくないので、バランスよく使えるかなっていう気がします。（ヤミーさん）
クミンについてくわしくチェック＞＞

・カレー風味にアレンジ「ガラムマサラ」
ガラムマサラは何にでも合うので、魚と一緒にピーマンや玉ねぎなどの野菜を炒めてもいいかなって思います。子どもも好きなカレー風味なので、うちの子はクミンとガラムマサラを使うと「カレーだ！」っていいます。（笑）（ぱおさん）
ガラムマサラについてくわしくチェック＞＞

・和の味わいとも相性◎「バジル」
私が作り置きでよくやるのが、バジルと和の調味料、しょう油の組合せ。ピーマンを油で焼いて、バジルとしょう油で味付けしています。ピーマンって時間がたつとより苦みを感じることがあるんですが、しょう油だけじゃなくてバジルを加えることで、すごく風味が良くなって、ひと味違った味になってくれますよ。（ちょりママさん）
バジルについてくわしくチェック＞＞

・甘みを引き立てる「シナモン」
シナモンは甘みを引き立てるので、たとえばごぼうのクセの部分よりも甘みの部分を引き立ててくれます。土臭いものは茶色いスパイスと合うなっていう印象があるのですが、茶色いスパイスといってもクローブやナツメグだと強すぎ。その点、シナモンは使いやすいですね。（ヤミーさん）
シナモンについてくわしくチェック＞＞

かな姐さん
味噌とクミンが意外にもよく合います！小松菜の青臭さや苦みも消えて食べやすくなります♪
使用スパイス：GABANクミン＜パウダー＞　＞＞