日時:3月11日(水)13:00~15:00 会場:外苑前アイランドスタジオ
しょうゆは私たちの一番身近な調味料ですが、実は知らないコトがいろいろありそう。そこで今回、しょうゆのプロによるしょうゆ出前授業を開催しました。貴重な味見体験や、料理家勇気凛りんさんの絶品しょうゆ料理デモなどもあり盛りだくさんなひとときでしたよ。今晩の食卓に役立つ情報満載のイベントをレポートします。
当日は二部制の授業でした。第一部は、しょうゆ博士こと『日本醤油技術センター』松本さんが担当。3択クイズに答えながら、五感を使った体感型授業で鼻や舌も使い、しょうゆの基礎知識を学びました。
授業開始後すぐ会場に充満したのは、フライパンに垂らしたしょうゆの香ばしい匂い。この食欲を誘うなじみのある香りには、300種類もの「香り成分」が含まれているそうです。「しょうゆには他の調味料にはないくらい、たくさんの香り成分が含まれていて、バラ、パイナップル、バニラなどの香り成分も検出されるんですよ」と松本さん。
「300種類もの香り成分が、複雑に絡み合うしょうゆですが、主な原料はたったの3つなんですよ」。松本さんが取り出したのは、しょうゆの原料である【大豆】【小麦】【食塩】。蒸した大豆と、炒って砕いた小麦を混ぜ合わせます。そこにもうひとつ、なくてはならない【麹菌】を加えて、食塩水を注いだものを【もろみ(諸味)】といい、もろみは約6ヵ月かけてしょうゆになるそうです。
国内に約1,400社あるというしょうゆメーカーにとって、もろみは門外不出の企業秘密。でも、今回は特別に!(1)他では味わうことのできないもろみと、(2)もろみを布でこしたできたての生しょうゆ、(3)生しょうゆを熱処理したいわゆるしょうゆ、3つの味見体験をしました。もろみを口にした参加ブロガーさんからは「お味噌っぽい!」という声があがりました。
味見体験はまだまだ続きます。次に用意されたのは【こいくち(濃口)】【うすくち(淡口)】【たまり(溜り)】【さいしこみ(再仕込み)】【しろ(白)】の5種類のしょうゆ。
味見をしたブロガーさんたちからは「やっぱり、うすくち(淡口)はこいくち(濃口)より塩気が強いね。こんなに違いがあるんですね」という声があがっていました。
この中で私たちが最もよくつかっているのがこいくち。日本のしょうゆ消費量の84%を占めているそうです。一方、白しょうゆは一般家庭よりも料理人の間で多く使われているそうですが、数名のブロガーさんがご自宅でつかっているとわかって、「さすが料理に造詣が深いみなさんですね!」と松本さんも感心されていました。
第二部は、人気料理家・勇気凛りんさんの料理実演です。1品目は「鯛かぶら高野豆腐」。比較のためにこいくちしょうゆ・うすくちしょうゆ2種類のしょうゆで作り分け、その違いを味わいました。そして2品目は「皮パリ照り焼きチキン」は、皮がパリパリなのに中身はしっとりジューシー。「皮目をじっくり焼いてから裏返し、鶏肉に8割方火を通してから調味料を加えると、鶏肉の水分が逃げないんですよ。調味料を加える時は、皮にかからないようにするのもパリパリに仕上げるポイント」とヒントを伝授してくれました。照り焼き料理と相性がいいたまりしょうゆと、誰もがマネできるちょっとしたコツで、定番料理がごちそうに感じられました。
勇気凛りんさんも「しょうゆは、見た目も味も、そのお料理の特性を際立たせてくれるんです。それぞれのしょうゆに合う料理を研究したくなりました」と、すっかりしょうゆの魅力にハマった様子でした。
「鯛かぶら高野豆腐」は、こいくちしょうゆと、うすくちしょうゆでは味にかなり違いがありました。実はうすくちしょうゆの方が塩気を感じる仕上がりに。しょうゆ博士松本さん曰く「見た目だけでなく、原材料の配分が異なるので、味も違いますし、あまり知られてはいませんが食感まで変わるんですよ」。こいくちしょうゆで煮た高野豆腐より、有機酸の量が少ないうすくちしょうゆで煮た高野豆腐の方が、きめ細やかな食感になるそうです。ますます試食が楽しみです!
しょうゆ博士の授業にはじまり、勇気凛りんさんの料理実演まで、熱心にペンを走らせ、写真撮影にも余念のなかった参加ブロガーさんたち。お待ちかねの試食タイムで、ひと息ついていただきました。「鯛かぶら高野豆腐」は、こいくちとうすくちのそれぞれで煮たものを味比べ。繊細な食感の違いを感じ取ろうと、目を閉じて味わっている方もいらして印象的でした。
その後のトークタイムでは「お味噌の上澄みがしょうゆの起源って本当ですか?」「なぜ九州地方で使われるしょうゆは甘いんですか?」など、参加ブロガーさんからたくさんの質問が飛び交いました。
料理に欠かせない調味料・しょうゆを改めて学び、味わったことで、毎日の料理がさらに楽しくなりそうです。参加ブロガーさんからさっそくレポートが届いています!
しょうゆ博士 松本秀樹さんより
参加いただいた皆さんの「しょうゆ感度」の高さにびっくり!さすが!料理好き、料理上手の方々。
同じ「しょうゆ」の名前でも、種類や味は千差万別。比べて、試して、しょうゆと食材の抜群の相性を見つけてください。
勇気凛りんさんより
今回、あらためてしょうゆを料理においしく使うコツを再確認しました。お料理に合わせて5つの種類の使い分けを色々試してみたいと思います。一番身近な調味料だからこそ、上手に使いこなせたら楽しいですね。
手軽でおいしい、しかもおしゃれなレシピが大人気。和洋中問わず、おかず、おつまみ、スイーツまで得意分野は幅広い。雑誌、イベント、テレビなどで活躍中。
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